2018年9月26日水曜日

低コスト型おじろ用心棒の紹介

サルに効果抜群のおじろ用心棒を低コストで
設置する方法について


【安価におじろ用心棒を設置する方法】
サルに効果抜群のおじろ用心棒
篠山市では補助事業を活用してサルの被害地区で
おじろ用心棒の設置がかなり進んで効果をあげています。

しかし補助は一定の条件がそろわないと受けること
できないため、いまだおじろ用心棒を設置できない農家もいます。
そういうところに被害は集中しつつある状況です。

そうした農家ができるだけ低コストで
自分の農地を守ることができるように
既存のおじろ用心棒をできるだけ
費用軽減して設置する工夫をしたので紹介します。

紹介してくださるのは
さともん正会員で理事も務める
篠山市在住の山内一隆さんです。

自慢の自家製野菜を守るため
10数年サルほか獣害対策に取り組み
研究を重ねてられてきました。

今回はその一端をご紹介いただきます。

(この動画は本記事の内容に関係ありません)


低コスト型おじろ用心棒の紹介



1 必要資材
  • 10センチメッシュ 1m×2m 5㎜スクリュー型
  • 電牧線(4段分)
  • 塩ビパイプ 26㎜φ L=80㎝
  • アルミ箔テープ 50㎜幅(1本当たり50㎝使用)
  • 入り口用フック 4段分
  • 竹杭 L=110㎝(鉄筋の代わりに使用)
  •  バインド線 1.2㎜φ(塩ビパイプ用)
  •  バインド線 1.6㎜φ(竹杭用)


2 製作手順


今回もモデル的に柵を設置する圃場
約4アールの規模


竹杭、塩ビパイプ、バインド線
竹杭は鉄筋(異型鋼棒)の代わりに使用。
これだけでもずいぶんコストダウンになります。



竹杭は内側から打ち、メッシュは1マス重ねて
太いバインド線で固定する。


塩ビパイプは細いバインド線で2段目に固定する。


電牧線を4段展張する 
メッシュトップから5㎝、10㎝、15㎝、15㎝
スペースを保つこと。


柵線をパイプに巻き結び固定する
(クロスする側は外)
これだけでも22mmフックが不要になります。

外側←メッシュ→内側

作業のコツとしてメッシュは1マスを重ね、
竹杭はメッシュの内側に横ワイヤー段目
まで打ち込む。必ず垂直に打ち込むこと。

重なった縦ワイヤーは2組あるので一方と
竹杭を2段にバインドする。

塩ビパイプは竹杭の頭に乗せ2段にバインドする。

縦ワイヤーのもう一方は、数年経ち竹杭が
朽ちたときに杭打ちするように利用する。


入り口のフックを付けて完成だが、メッシュが
上がりがちになってショートする恐れがあるため、
2㎝ほど上げて固定するのがコツ

右側はインシュロックで4段とも固定。


アライグマ、ハクビシン、狸、アナグマ対策として
メッシュ下段の細いメッシュを半分ずらして
目が小さくなるよう工夫して取りつけている。



それでも上部まで上ってメッシュの隙間から

侵入する場合は、上部までメッシュの隙間を細かくする。



ネットを使った方が低コストかもしれない。


排水路対策はしっかりしておく必要がある。


電牧器を取りつけて完成。



3 特長と製作雑感


おじろ用心棒を省力型に工夫したが、性能は全く劣らず、経費として



1.8メートルごとに600ほどの経費節減となる。



材 材料としては電牧線を支える22mmフック、スプリング、13mm異型鋼棒(鉄筋)
を使っていない。


竹杭は山すその農家であれば厄介者とされているくらい
孟宗竹があり、いくらでも丈夫なものが出来る。

杭の長さは110センチが丁度だが、
圃場の様子で少し長くてもよい。
        
今回は周囲80メートルの平地に敷設したが、
一人で杭作りも含め1週間もあれば完成する。


写真説明でも触れたが、竹杭は3年くらいは持つので、
以後は3年経てば現在の杭の直ぐ横に打ち込むと補強できる。
 
電牧線を塩ビパイプにくくりつけている巻き結びは、
輪を二つ作り上下入れ替え縛れば写真のようになる。

7年前にこの巻き結び手法をした場所があるが、
未だかつてずれたことがなく簡単に作業が出来る。

さらに塩ビパイプ1本ごとに取り付けるので
強い力で展張する必要がない。

メッシュは下段をダブルにしてずらし目を細かくして
いるが、ハクビシン等が上部まで昇って隙間から
侵入してくることがあった。

被害にあうようなら、上部まで網目を細かくする必要がある。

この手法で大事なのはバインド線を締めるハッカーの
熟練が必要となるが、練習すれば直ぐにマスター出来る。

入り口は必要最小限で設置すれば良いが、
いつも出入りする場所は少し狭い幅の方が扉が軽くて使いやすい。

特に年配の方が利用するのにはこの方が良い。
トラクターが入るのはメッシュいっぱいの幅だが、
管理機は1メートルくらいあれば十分である。
以上。

設置場所:篠山市今谷屋中ノ坪
設置年月:平成306
設置者:山内一隆

文責:山内一隆〉

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